バイクや原付を処分したいなと思って近所のバイク屋さんに聞いてみると、無料で「二輪車リサイクルシステム」の利用が出来るとアドバイスをもらうことがあります。
では、その「二輪車リサイクルシステム」とはどのような仕組みなのでしょうか?
「二輪車リサイクルシステム」とは、国内の二輪メーカーや海外製二輪の輸入事業者、並びにその販売店が協力して取り組んでいる、二輪車の廃棄・リサイクルプログラムのことです。
もっと簡単に言いますと、不要となったバイクの廃棄場所と言った方が分かりやすいかもしれません。
例えば、国内で販売された原付バイクに乗っているのであれば、一定条件をクリアしていれば『無料』でバイクや原付スクーターを廃棄することが出来るという仕組みなんですね。
【二輪車リサイクルシステム利用条件】
①廃車手続きが済んでいる
②自ら指定場所に持ち込む
※参照リンク
「二輪車リサイクルシステム」
https://www.jarc.or.jp/motorcycle/
では、そもそもなんですが、乗らなくなったバイクや原付スクーターなどの自動二輪車は果たしてゴミ(廃棄物)という分類になるのでしょうか?
一般的に”バイク”が”ゴミ”という考え方には干違和感を感じてしまいますが、実は明確にゴミ(粗大ゴミ)として扱っている自治体も少なからず存在しています。
例えば岐阜県岐阜市ですが、市のホームページにもしっかりと下記のように記載されています。
『原付バイク本体(50cc以下)は、粗大ごみとして処理することができます。(有料)』
※参照リンク
岐阜市ホームページ
https://www.city.gifu.lg.jp/shitsumon/kurashi/1009774/1009842/1009848.html
しかし、他のほとんどの自治体においてバイクなどの自動二輪車は基本的に「適正処理困難物」と定義されており、一般的なゴミ(廃棄物)として収集・処理をしていない場合が多いのではないかと思います。
そこで、その廃棄バイクや原付スクーターの受け皿として機能しているの仕組みが「二輪車リサイクルシステム」ということになります。
公益財団法人「自動車リサイクル促進センター」の管理する指定引取場所は日本全国で約170か所、廃車手続き(ナンバー返納)を済ませたバイク、かつご自身で指定場所まで持っていけば一切無料で廃棄することが出来るんですね。対象となるバイクは、同システムに参加している事業者が国内で販売したバイクや原付スクーターとのことで、国内メーカーだとホンダやスズキ、ヤマハにカワサキなどの自動二輪車とのことです。
原動機付自転車(原付スクーター)や軽二輪、小型二輪などその大きさ関わらず引取りの対象となりますが、フレーム、エンジン、ガソリンタンク、ハンドル、前輪・後輪の5つのパーツが残っていてバイクとしての原型をとどめていないと受け付けてはもらえないそうです。したがって、シートやタイヤ、バッテリーなどの個別のパーツのみの引取りはしていないとのこと。
では、何故国内の二輪メーカーや海外製二輪の輸入事業者、並びにその販売店が協力してこの「二輪車リサイクルシステム」を立ち上げ運用しているのか?
これは過去の使用済自動車の不法投棄問題などで端を発した、土壌・地下水等の汚染、また大気放出されたフロン類がオゾン層を破壊し、生態系を変化させるなどの環境問題に対応するために「自動車リサイクル法」が制定され、その流れに追随して二輪業界が自主取組として同システムを構築したのではないかと思われます。しかし、自動車業界おける「自動車リサイクル法」のような法規制ではなく、あくまで二輪業界が自主取組として行っている制度のため「二輪車リサイクルシステム」は法律ではありません。
ですから、絶対にこの「二輪車リサイクルシステム」を利用して不要となった自動二輪車を処分しなければならない、という訳ではないのです。あくまで処分する際の選択肢の一つということになりますね。
また、費用が”無料”と謳ってはいますが、実は新車で購入する際にこの「二輪車リサイクルシステム(処理再資源化)」の利用を前提とした利用料込みの希望小売価格となっているので、最終的な処分の際には費用は不要となっていますが実質的には購入者がこの費用を負担しているのです。
また、この「二輪車リサイクルシステム」における”無料”にはもう一つ落とし穴もあります。
条件を再度こちらに記載しますが、「不要になった際に自ら指定場所に持ち込む、また廃車手続きが済んでいると」ということが大前提となります。
”廃車手続き(ナンバー返納)”については、原付スクーターをならば各地方自治体の窓口、軽二輪や小型二輪は陸運局に出向いて自ら手続きをおこなえば、書類代など微々たる金額のみで手続きが出来ることだ思います。しかし、ではナンバーを返納した公道を動かせないバイクや原付スクーターをどのようにして指定引取場所まで持ち込みましょうか?
原付ならばワンボックスタイプの乗用車に乗せて持ち込むことも出来るでしょうが、一般的なセダンタイプや軽自動などであれば絶対無理ではないかと思います。原付よりも更に大きな軽二輪や小型二輪なら最初から諦めざるえないことでしょう…。
では、どのようにして指定場所に持ち込むかと言いますと、町のバイクショップなどが加盟している”廃棄二輪車取扱店”に持ち込んで指定場所まで運搬してもらうという方法を「二輪車リサイクルシステム」では推奨しています。
しかしここが落とし穴となっているんですね…。
注意しなければならないのは、この”廃棄二輪車取扱店”ではで指定場所までの運搬費用や廃車手続き代行費用を依頼者に実費請求することを可能としています。つまり、廃棄自体は”無料”となってはいますが、”廃棄二輪車取扱店”にお願いすると少なからず実費負担が発生してしまうことを理解ししなければなりません。
もちろんこの”廃棄二輪車取扱店”に運搬をお願いする以外の方法も考えることが出来ます。例えば、知り合いやレンタカー会社から軽トラックを借りて運搬する方法だとか、便利屋さんにお願いするという方法も考えることが出来ます。しかし、この「二輪車リサイクルシステム」を利用して不要自動二輪車を処分するとなると、その費用を完全に”無料”にすることは出来ないということは理解する必要がありそうです。
さて今回は、不要となったバイクや原付スクーターの処分方法の一つの選択肢として「二輪車リサイクルシステム」という一つの方法をご紹介させていただきました。
若干の費用負担が発生してしまうことを理解したうえでこの「二輪車リサイクルシステム」を利用するという選択肢はもちろん”アリ”だと思います。しかしながら、同じ”不要となったバイクや原付スクーターの処分方法”の一つとして、我々のような『完全無料』で廃車手続きの代行まで行える業者も存在しています。
実際に自動二輪車の処分を行わなくてはならない際には、正確な情報を収集して十分に検討を行い、ご自身にあった方法を選択して処分していただければと思います。その際には、ぜひ選択肢の一つとして株式会社信栄商会が運営する『バイクリサイクルジャパン』の完全無料回収・引き取りをご検討くださいませ。